これからの防犯カメラはどのようになっていくのでしょうか
防犯カメラの未来について予測してみたいと思います。
カメラが登場したのは、今から約50年程度前のことになります。当時はカラーのカメラの値段が高く、白黒の方が多く流通していました。映像の記録はVHSビデオテープにされ、長時間記録するために、タイムラプスビデオという機器を使用し、コマ送りでの録画がほとんどでした。1週間程度記録するためには、120分用テープに、10秒に一コマという間隔で録画していました。
カメラの映像は、テレビのアンテナに使用される同軸ケーブルという電線で、カメラと録画装置を接続して記録、監視をしていました。1990年の後半になると、今までのビデオデッキでの録画から、ハードディスクへの録画にバトンタッチされていきます。当初は20GB程度の容量だったので、今から考えると、SDカードほどの記録容量でした。
パソコンの普及に伴い、ハードディスクがどんどんコストダウンしていき、大容量化が進みます。
このころから、インターネットも普及し、ブロードバンド回線による画像の遠隔監視も簡単にできるようになってきました。
丁度このころに、地上波テレビ放送が、デジタル化され、映像の鮮明さが格段にアップしました。
防犯カメラの映像も、それまで主流であった25万画素や40万画素から、100万画素、200万画素と急激に進化していきました。
パソコンの普及、インターネット回線の高速化に伴い、IPカメラが登場しました。それまでの同軸ケーブルではなく、LANケーブルを使用した接続となり、パソコンと同様にHUB接続ができるようになります。
今までは物理的にカメラに電源を供給し、同軸ケーブルで接続すると映像が得られていたのに対して、IPカメラはパソコンと同じようなネットワーク設定が必要となります。さらにIPカメラはインターネットに接続して遠隔から映像を見るだけでなく、クラウドに記録するといった使い方が可能となりました。
ここ数年でIPカメラのシェアは一気に同軸カメラを追い抜き、主流となりつつあります。
映像記録も、物理的なハードディスクへの保存ではなく、SDカードやクラウドへの保存が一般的になってくるでしょう。
IPカメラのメリットはこれだけではなく、アプリをインストールすると、映像をデータとしてとらえ、顔認証や、車のナンバープレート認識が可能となり、他のシステムとの連携がスムーズに行えるようになります。いわゆるAIカメラというものです。
ここまでくると、防犯カメラという名称は古臭く感じられるようになります。
AIカメラが、防犯だけでなく、サービス向上やマーケティングの分野にも役立てられるようになります。
先日JR大阪駅で、顔認証による自動改札の試験運用が開始されました。これはまさにカメラとアプリが連動し、自動改札機を制御しているということです。顔のデータと、定期のデータを合わせて判断し、改札口を通過することを許可されたということになります。
将来的には、個人情報の最たるものである顔データが管理され、様々なシステムと紐付けされることによって、手ぶらで出かけることができ、買い物も自由にできるようになります。
そうなると、現金が意味を持たなくなり、ひいては強盗やすりが無くなります。犯罪の形態や質が変化していくものとなります。現金ではなく、個人情報が最も大切にしなくてはいけないものとなります。
これは、遠い未来ではなく、すぐに現実のものとなります。