東京都世田谷区内を走行していた小田急小田原線の上り電車内で6日夜、20~50代の乗客が刃物で刺されるなどして重軽傷を負った事件で、警視庁は7日朝、自称派遣社員の容疑者の男を重傷の女性への殺人未遂容疑で逮捕しました。
東京オリンピック・パラリンピック大会を前に、国土交通省は鉄道会社による乗客への手荷物検査を可能にする省令改正をするなど警備体制を強化していました。しかし、利用者が多く利便性が重視される鉄道では、通勤客などへの恒常的な検査は困難です。国交省は7日、全国の鉄道会社に警察当局と連携した警備を徹底するよう通知を出しましたが、対策に限界があるのが実情です。
国交省は今年6月に省令を改正。鉄道会社による乗客への手荷物検査のほか、検査を拒否する乗客を車内や駅構内から退去させることができるようになりました。
しかし、警備の強化は利便性を損なうことに繋がります。大会期間中、JR東日本などは首都圏の新幹線や在来線の主要駅で手荷物検査を実施していますが、防犯カメラなどで絞り込まれた不審者に限ります。
走行中の車内で事件の起きた小田急電鉄も、利用者が多い新宿駅やオリンピック会場の周辺駅など計11駅で警備員を増やし警戒を強化していました。ただ、手荷物検査などは実施しておらず、「利便性や検査の方法などの課題があり、具体的な検討はこれから」と同社は説明しています。今後は駅員などの巡回を強化し、防犯カメラの映像を確認する頻度を増やす対策を取る方針です。
国交省関係者は「事件が起きたような通勤電車では、手荷物検査の実施は現実的に難しい。駅の防犯カメラを増やしたり、警戒を強化したりする『見せる警備』で抑止していくしかない」と話しています。
<YAHOOニュース 2021/8/7(土) 19:28配信>より
通勤電車での今回の事件は非常にショッキングな出来事でした。
2018年6月にも、東海道新幹線で22歳の男が、刃物をもって乗客を襲い、2名が負傷、1名が死亡した事件がありました。この事件をきっかけに、防犯カメラが電車内に設置され、警備員の巡回を増やすなどの対策が実施されていました。防犯カメラだけでこのような犯罪を防ぐことは難しいと考えます。なぜなら、窃盗犯のように、「見つかりたくない」という感情より、人を殺めたいという発想から犯行に及んでいます。したがって、カメラからみられていることで働く抑止といったことは効果が薄いです。
もし、このような犯罪を企てるものに対する対策としては、個人個人が刃物にも刺されない防刃効果のある繊維の衣服を身にまとうことぐらいではないでしょうか。
現実問題としては厳しいですが、このような犯罪が増えてくるとそういった護身用具を個人個人で対策するといったことも今後出てくると思います。