美術館で工芸品が盗難被害に。犯罪者を作らないためにも防犯対策を。
山梨県県立美術館から地元出身の作家がつくった工芸品を盗んだとして、39歳の男が逮捕されました。
男が消防点検のすきに収蔵庫から盗んだということです。
容疑者の男は8月、山梨県立美術館の収蔵庫から時価およそ60万円のメノウでできた工芸品1個を盗んだ疑いがもたれています。
盗まれたのは、地元出身の作家・宅間正一さんが1980年に制作した縦6.3センチ、横12.3センチ、高さ1,5センチの平香炉「かれい」です。
警察によりますと、容疑者の男は当時、消防設備を点検する会社に勤めていて、美術館の定期点検で出入りした際にすきを見て盗んだということです。
容疑者の男は、別の窃盗事件で逮捕・起訴されていて、男の所有する車を捜索した際に、木箱に入った状態の香炉が見つかり発覚しました。
取り調べに対し、容疑者の男は、「収蔵庫から盗んだのは間違いない」と容疑を認めています。
<YAHOOニュース 2022年10月27日 16:24配信>より
山梨県立美術館は、一万点を超える収蔵品をもおっており、ミレーの「落ち穂拾い」や「種をまく」など著名な作品も数多く所有しています。
今回盗難に遭った工芸品については、幸いにも転売されず、容疑者の車から見つかったので、
無事元の美術館にもどるのでしょう。
容疑者の男は別のマンションの消防点検の際に、同様の手口で住人の部屋から高級腕時計を容疑で逮捕されていたとのことです。
盗難事件の場合、外部からの侵入者によるもの、内部犯行によるもの、出入り業者によるものがあり、今回は出入り業者によるものという結果となりました。
お互いに信頼関係で仕事の受・発注が行われていたわけですが、このような事件を起こしてしまうと、信頼関係も崩れてしまいます。一度失われた信用を取り戻すのは大変なことです。
今までの関係は少しずつ積み重ねてきたものと想像します。
今回は容疑者の車内で盗品が発見されたということは、美術館側では把握していなかったということになります。展示品ではなく、収蔵庫から箱ごと持ち出され、さらに箱も小さかったために気付かれにくかったのだと思います。
防犯カメラを設置する理由として、外部からの侵入者の犯行現場を記録するというのはもちろんですが、内部犯行を防止するために設置を要望されるケースも非常に多いです。
ここで、スタッフからすると、「我々従業員を信用していないのか!」と怒り出してしまう場合があります。
でも、実は逆なのです。信頼するからこそ、疑わないためにカメラを設置するのです。スタッフの身の潔白を証明するために必要になるのです。という風に考えれば、スタッフの身の安全も見守ってもらえるものになります。
出入り業者の場合も同じです。信頼関係のために、必ず記録する必要があるのです。
カメラは単純にその場であった事を忠実にウソ・偽りなく映し出すだけのものです。
それらをどう使うのかは、我々人間の役目です。
犯罪者を作らないためにも、防犯対策は必要なのです。