防犯カメラがあると安心?
福岡市の地下鉄で防犯カメラによる車内のリアルタイム監視が始まっています。
今、電車内の至る所で見掛けるようになった“防犯カメラ”。実は去年10月から鉄道の防犯カメラの設置が義務化。首都圏などの利用者が多い路線や新幹線全線がその対象に。すでに山手線などJR東日本の首都圏在来線では100%の設置率となっています。
しかし、そもそもなぜ防犯カメラが義務化されたのか…。
きっかけは2021年に小田急線や京王線の車内で起こった刺傷事件です。密室の車内の中で多くの被害者が出ることとなり、国での議論が加速しました。
松野官房長官(当時)
「公共交通機関の安全確保を図るため、防犯カメラの設置や非常通報装置の適切な運用等の取り組みを着実に進める」
電車内での犯罪を未然に防ぐために防犯カメラの設置がされることとなったのです。
そんななか、先月に福岡市交通局がスタートさせたのが「リアルタイム防犯カメラ」の運用。地下鉄3路線に設置されていて、非常時には交通局がリアルタイムで車内の様子を確認することが可能。犯罪防止に役立てるとしています。
こうした取り組みにネットでは…。
X(旧ツイッター)から
「非常時も安心だし電車内の設置はありがたい」
「カメラがあることで犯罪の抑止力にもなるよね」
「男性としても痴漢の冤罪(えんざい)にならないために必要」
しかし、その一方で危機感を募らせているのが日弁連。
日本弁護士連合会の声明
「単に監視社会のインフラが拡大するだけとなりかねない『防犯カメラ』の義務化には問題がある」
実は、ここまで防犯カメラの設置が進んでいるにもかかわらず、運用ルールも決まっておらず、肖像権侵害は避けられないと反対しているのです。さらに、そもそも防犯効果についても、その実証がされていないとのこと。
果たして、防犯カメラ設置の意義は。そして、カメラの運用ルールはどうすべきなのか。
<YAHOOニュース2024年5月21日21:44配信>より
全国的に電車内の防犯カメラ設置は進んでいます。密室となる移動体である電車内での、事件や事故について、一定の効果が期待できるとして歓迎されています。
ゆくゆくは、この世の中の電車すべてに防犯カメラが設置されるのだと思っていたので、このニュースは驚きました。
確かに、きっかけとなった事件に関しては、カメラがあろうが人が見てようが、刺し違えて自分の命も投げ出すようなタイプの犯行でした。
本当は、このタイプの事件には、防犯カメラは事件防止にはあまり役立つとはいえないです。
カメラが付いているから、見られているから、犯行を止めておこう、などと考える人も確かにいると思います。痴漢や、すりなどの犯罪には抑止になる場合もあります。
痴漢の冤罪を証明したいという男性の声も少なくありません。この場合、抑止というより、後からの確認、証拠となります。もちろんカメラはあったに越したことはないのですが、肖像権に関する取り決めなどは後追いとなっている感じは否めません。
顔が映った記録映像は、個人情報として取り扱いも慎重に行わなければなりません。
また、カメラを設置した後に、実際に痴漢・スリの被害件数が減ったということを検証することでカメラの有効性を証明しなければならないと思います。
そもそも電車というのは、鉄道会社が提供する移動の手段です。鉄道会社の定義する「安全」は、事故なく、電車を運行するということです。
利用者である我々は、電車の安全な運航はもちろんのこと、事故や事件に巻き込まれないということも大事な「安全」です。社内の安全は、鉄道会社が担保するものではなく、我々乗客一人一人が気を付けないといけません。
国土交通省がHPに掲載されている「鉄道の安全利用に関する手引き」の中で、利用者等の心得という項目があり、電車を待つときや乗車時・降車時、社内での心得等細かく明記されています。
https://www.mlit.go.jp/common/000128837.pdf (国土交通省のホームページより)
快適で安全な電車移動を行うには、音楽に夢中になったり、SNS・ゲーム等スマホに浸りすぎるのも注意が必要です。
自分の部屋ではないということを強く意識し、くつろぎすぎず、周りへの気配りが必要不可欠です。