太陽光発電で増え続ける電線盗難の対策
茨城県警捜査3課などは5日、県内の太陽光発電所から銅線を盗んだとして、カンボジア国籍の男性3人を逮捕し発表しました。県内の金属盗の認知件数は全国ワースト。3人はそれぞれ2022年12月~23年2月に県内で起きた盗難事件でも立件されており、同課は余罪を追及する。
逮捕容疑は22年12月25~27日、小美玉市の太陽光発電所で送電ケーブル約850メートル(時価合計約550万円相当)を盗んだとしている。
同課によると、3人とも技能実習生として入国した後、在留資格が切れ、不法滞在状態だった。盗んだ銅線を換金して生活費や覚醒剤の購入資金に充てたとみている。
22年12月に阿見町で起きた盗難事件で現行犯逮捕されたカンボジア人の供述から、カンボジア人グループの関与が浮上。複数のグループ関係者が「茨城や栃木などで100件くらい盗んだ」と供述しているといい、同課は複数の不法滞在者が離合集散しながら関東地方で犯行を重ねた可能性があるとみている。
同課によると、県内の金属盗の認知件数は20~22年の3年連続で全国ワースト。22年はワースト2位の千葉県の約2倍にあたる1632件を認知し、うち約4割を太陽光発電所の被害が占めた。捜査幹部は「県内は、人里離れた発電所も金属買い取り業者も多く、車で移動する便も良い。金属価格高騰で、純度の高い銅を使用するケーブルは盗む人にとっては地面に金が埋まっているようなものだ」と語る。
<YAHOOニュース 2023年7月5日21:26配信>より
金属の価格高騰が続いており、特に銅は10年前と比べると1.5倍もの値がついています。
しかし、重量もあり、たくさんの電線を盗んで持っていくのには人手が必要になります。また、換金するには、専門の業者に依頼する必要があります。そうなると、自ずと犯人を特定することは、難しいことではないです。今回のニュースにあるような、外国人で不法滞在している人となると更に絞られてくると思います。
しかし、それは犯人逮捕という観点からの考え方です。
もちろん犯罪者は捕まえなければなりません。でも、電線を取られてしまうと、発電量が大幅に減少し、収入が激減してしまいます。盗まれた電線を補修するにも費用が掛かり、損害は、「時価¥○○万円」だけでなく、その何倍もの被害に遭っていることになります。
カメラやセンサーを設置するにも、敷地が広く、設備にも相当な費用が掛かってきます。そうかといって、常に見ているわけにもいかず、盗難に遭わないように祈るくらいしかないのではないでしょうか。施設場所は、山手など、周囲に人気のない場所が多いので、尚の事狙われやすくなってしまいます。
フェンスで囲まれた土地に対して、センサーで警戒するには、周囲を全て赤外線センサーや、人感センサーなどで隙間なく警戒するのが一番です。その分費用も上がってしまいます。
重い電線を持ち去るのに必ず車が必要となるので、ケーブルを持ち出す侵入口から近くで、なおかつ車が停められる場所を想定することがポイントとなります。その際、当然人目に付きにくい場所があるはずです。
犯罪者の立場になって、どのように行動を起こすのか。犯罪者の心理状態も想定しながら考察していかなければなりません。そして、侵入しやすい場所を強化し、できるだけ早く侵入しようとした時点で、大音量で威嚇することで、大きな効果を得ることができます。
地中に埋まっているケーブルを持ち出す際に、必ず通る箇所があるはずです。その位置を割り出し、ピンポイントでセンサーの検知エリアを適用させるのです。
近年、赤外線センサーも電池式のものもあり、配線工事が全く必要ないものも登場しています。
電池式赤外線センサーは、検知すると、検知信号を無線で送信することができます。
この信号を、サイレン付きの受信機に連動させ、瞬時に大音量で威嚇し、撃退することができます。
後は、できるだけ放置せず、マメに整理整頓、草刈りを行うことで、管理されているというオーラをまとわせることが大事になります。