防犯カメラ設置義務で、電車内の犯罪防止に役立つのか?
国土交通省は電車内での事件が相次いだことを受け、新しい鉄道車両を造る際などに防犯カメラの設置を義務化する方針です。
6月24日の有識者会議では、設置対象を在来線は東京・大阪・名古屋の三大都市圏中心、新幹線は全路線とし、録画機能を必須とするものの鉄道各社の費用負担などをふまえ、それ以上のスペックは求めない方向で検討を進めることが確認されました。
<YAHOOニュース2022年6月24日19:17配信>より
特急などの停車駅が少ない列車を中心に防犯カメラの普及は進んでいるようですが、今回の「義務化により、新しく造る列車には全て設置するようになります。これで、ある一定の予防効果が期待出来、迷惑行為の減少するものと思われます。
昔はプライバシーの侵害を気にされる方が多く、レンズを向けられることに抵抗感がありましたが、今のご時世は、どこに行ってもカメラが設置されているので、意識される方はかなり少なくなったようです。
とはいえ、一口に電車内といっても、ラッシュ時の東京メトロ東西線のように乗車率200%越えの電車もあれば、ローカル線で数人しか乗客がいない電車もあり、ひとくくりにはできません。
(そのような数人の乗客でもトラブルはあるのかもしれませんが)
(そのような数人の乗客でもトラブルはあるのかもしれませんが)
小学生のころ、九州の祖母の家に近畿から鈍行列車の旅に行ったときに、夜の9時ぐらいに車掌さんに、「○○の××さん(祖母の名前)とこにいくのですね?」と声をかけられ、びっくりした思い出があります。前もって祖母が駅に電話をしてくれていたのです。
そんな時間にその駅を利用する人がほとんどおらず、居たとしても、みんな顔見知りだったそうです。車掌さん、駅員さん、運転手さんと乗客の距離も今よりもっと近かったのですね。
そのような地域であれば、乗客同士もほとんど顔見知りで、揉め事も起こりにくい環境ではないでしょうか。
そんな時間にその駅を利用する人がほとんどおらず、居たとしても、みんな顔見知りだったそうです。車掌さん、駅員さん、運転手さんと乗客の距離も今よりもっと近かったのですね。
そのような地域であれば、乗客同士もほとんど顔見知りで、揉め事も起こりにくい環境ではないでしょうか。
カメラを義務化する原因となった、電車内で火をつけるといった行為や、刃物を振り回した事件に対してはどこまで抑止効果が期待できるのかは不明です。 最終的に自殺もいとわず、大量殺人を目論むような犯罪者に対しては、カメラは無力となります。後から記録画像を確認し、事件の全容を解析するためには使用できますが、犯罪自体を防ぐことは難しいです。 一般のお客様からの問い合わせで、「防犯対策をしたい」との要望があったときに、お客様のイメージでは、防犯対策といえば、防犯カメラの事と思っていらっしゃる方が多いです。
私どもセキュリティハウスでは、防犯カメラだけでは犯罪を防ぐことができない、と考えております。
防犯環境設計という考え方では次の3つが同一空間に揃うと犯罪が起きるといわれています。
● 犯罪企図者
● 被害対象物(被害対象者)
● 抑止力のある監視者の不在
● 被害対象物(被害対象者)
● 抑止力のある監視者の不在
ここでいう防犯カメラは、単なる人目ですから、抑止力のある監視者とは少し意味合いが違います。
では、どうすればいいのでしょうか
① 犯罪企図者を被害対象物と同一空間に置かなければ犯罪は起きません。したがって、犯罪企図者を被害対象物、被害対象者に近づけなければいいのです。
これは、接近の制御と、領域性の強化という考え方になります。
これは、接近の制御と、領域性の強化という考え方になります。
② 抑止力のある監視者をおく、ということは警察官による巡回が必要になってきます。
まずは①の対応で犯罪を防ぐことはできます。犯罪企図者をどのように見分けるかが今後の課題になりますが、カメラ映像の高画質化に加えて、AI技術の進歩の組み合わせである程度犯罪企図を絞ることも夢ではないのではないでしょうか。
電車に乗る前に、改札を通過しようとしたときにAIで犯罪企図者を発見すれば、電車内での凶悪犯罪起こる可能性は極めて低くなります。
また、日本に住む人のすべての顔写真データをデータ化することで、犯罪を起こした人間の行動を管理することも出来ますし、管理されていることを意識することで犯罪を抑止する効果も期待できます。また、行方不明者の捜索の手助けとなります。
また、日本に住む人のすべての顔写真データをデータ化することで、犯罪を起こした人間の行動を管理することも出来ますし、管理されていることを意識することで犯罪を抑止する効果も期待できます。また、行方不明者の捜索の手助けとなります。
現在マイナンバーカードの登録は4割弱ということですが、すべての登録ができれば、管理には役立つと思います。
プライバシーの保護の問題もあり、そう簡単には進まないでしょうけれども、重大犯罪を防ぐにはこのような手法も必要ではないかと思います。
プライバシーの保護の問題もあり、そう簡単には進まないでしょうけれども、重大犯罪を防ぐにはこのような手法も必要ではないかと思います。