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尼崎が世界に発信!

昨年7月、世界保健機関(WHO)のホームページに、尼崎市内の商店街の写真が掲載されました。始まりはWHO西太平洋地域事務局から、「新型コロナウイルス対策の一例として紹介したい」と市役所に打診があったことです。応対に当たった尼崎市こども青少年課係長の男性は、「電話でWHOだと言われて、最初は新手の詐欺かと疑ったんです。まさか、尼崎を世界レベルで扱ってもらえるなんて」と話しています。
  

WHOのホームページに掲載されたのは、阪神尼崎駅にほど近い商店街にある精肉店の店頭の二枚の写真です。このお店では、お客さんが地面に貼られた足跡マークにあわせて間隔を空けて並んでいます。その写真に、「新型コロナウイルス感染拡大下での『ナッジ』理論の活用例」として「商店で自然と距離を置く環境が作り出されている」と説明が加えられています。
  

ナッジ理論とは、「望ましい行動に導く仕掛け」のことです。 例えば、男子トイレで小便器に「的」や「虫」のシールが貼ってあると、つい狙いたくなります。その結果、便器や床が汚れにくくなり、掃除の手間が省けて、経済効率が上がります。というのが、ナッジ理論の応用例です。

尼崎市も2019年10月、ナッジ理論を実践する職員チーム「ナッジ・ユニット」を結成しました。前述の精肉店では、「足跡マークがあれば、客はそこに立ってしまうはず」と、コロナ対策で社会的距離を取ってもらうために、20年4月に設置しました。精肉店は「みんな行儀よく並んでくれて、びっくり。市のアイデアに救われました」と話しています。
  

 WHOの職員が、ナッジを使ったコロナ対策の好事例を探していて、インターネット上で尼崎の精肉店の写真を見つけ、市に写真提供を依頼し、「世界発信」につながりました。
  


<読売新聞オンライン2021/03/28 05:00配信>より
  

いろいろと説明書きをする、音声でアナウンスを流すなど密を避ける様々な方法がとられていますが、直感的に人間の心理状態を利用した方法が一番効果があるようです。下町の知恵として、言語の違う海外の国々でも参考にしていただけるのではないでしょうか。
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