高級車盗難の瞬間をとらえた防犯カメラ。果たしてその効果とは?
福岡市で高級車「レクサスLX」が盗まれる事件があり、現場に出入りする犯行グループの車をとらえた防犯カメラの映像を独自に入手しました。
警察によりますと、10月15日、午前1時半過ぎ、福岡市中央区の駐車場で、会社役員の男性が所有する1,200万円相当の「レクサスLX」が盗まれました。
犯行現場となった駐車場に、犯行時刻ごろ、銀色のセダンが入ってきます。
その後、不審な動きに気づいた通報者が、現場に駆け寄ります。
目撃した通報者の話で、「レクサスの左前がこじ開けられていて。格好が覆面っていうんですかね。3人はいたんじゃないかなと思います」
そして、わずか3分後、施錠されていたはずの白いレクサスが駐車場から動き出し、セダンとともに走り去りました。
警察は、車の配線に直結してロックを解除する「CANインベーダー」と呼ばれる機器が犯行に使われた可能性が高いとみて捜査しています。
<テレビ西日本 2022年10月19日11:49配信>より
先ごろ発表されました盗難被害にあう車種ランキング(2018年)で、第1位がプリウス、第2位がランドクルーザー、第3位ハイエース、第4位レクサスという結果となり、上位全てトヨタ製の車となっています。市場にも多く出回っており、また、海外でも人気が高いため、転売しやすいといった理由が一番ではないでしょうか。
車両盗難の手法はその対策とイタチごっこです。新たな手口が見つかると、メーカーが対策し、犯罪者はさらに対策を破るものを開発する、といった具合に完全な対策は難しいと思います。
今回のように、防犯カメラが設置されているため、顔を隠すために覆面をかぶり、覆面でうろうろしたために通報者が現場に駆け寄りましたが、結果的に車両は盗まれてしまいました。
残念ながら、防犯カメラは防犯にならなかった事例です。
盗難を企てた犯罪者も、1,400万円の高級車を盗むのは多少のリスクもあると感じているはずです。
車を所有するということはある意味ステータス、自己表現の一種でもあります。購入する際にはいろいろな種類の中から自分が気に入ったものを他の比較し、絞り込んでその時の一番好きなものを選択しているはずです。
思い入れももちろんありますし、その車を使った思い出なんかもあるかもしれません。
なので、盗難に遭った人は悔しく、悲しい思いをします。
そんな思いをしないためにも、物理的な防御は必須です。
最新の車は正式な鍵(最近はキーレスが主流になりつつありますが)がないと、アラームが鳴ったり、燃料をカットするので、エンジンがかからなかったりしますが、コンピュータ制御であることを逆手に取った手口も増えてきています。
コインパーキングにあるような、物理的に車を動かせないような車止めなどを使って、車自体を動かせないようにするなど、2重3重にセキュリティをかける必要性が出てきています。
犯罪者からの車両盗難は、メーカーだけでは防ぐのは難しいことのようにも思います。
カメラにできることは、犯罪手口を記録し、新しい手口に対する対策の参考としての資料の為だけなのでしょうか。状況証拠として映像が使われることはあっても、残念ながら決定的な証拠にならないです。
今後もっとカメラの設置台数が増えると、犯人を追跡することも出来ると思いますが、現在の設置台数では厳しいです。
車の所有者だけでなく、一人一人が犯罪させないという強い気持ちを持ち続けなければなりません。みんなで協力して犯罪のない世界を作っていきましょう。