京都の重要文化財がたたかれ複数の傷を負いました。
京都の世界遺産である某寺の「南大門」に複数の傷をつけたとして男が再逮捕されました。
文化財保護法違反の疑いで再逮捕されたのは、京都府に住む職業不詳の容疑者の男です。
警察によりますと、容疑者は12月15日午前4時半ごろ、京都市の寺にある重要文化財「南大門」の壁面を、液体が入ったペットボトルでたたき、複数の傷をつけた疑いが持たれています。
容疑者は、駆け付けた警察官の顔に唾を吐いたとして、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されていましたが、警察は警備員の目撃情報などから壁の損壊についても容疑者によるものだとして再逮捕しました。
調べに対し、容疑者は黙秘しているということです。
<YAHOOニュース 2022年12月16日 1:48配信>より
文化財に対する破壊行為は、後から後悔する行動です。容疑者本人がイライラして行ったのか、某寺に恨みがあったのかは不明ですが、悪質な行為です。
この門は、日中には車通りも人通りも多い国道沿いにあり、1600年に建てられ、その後1895年に現在の場所に移築されたものです。幅が18mもあり、鳥や獣の彫刻が施された、大きく立派な門で、国の重要文化財に指定されています。
今から400年以上も昔に作られたものが、現存しているだけでも、多くの人たちが保存に尽力してきたおかげです。そんな労力をないがしろにするような行為です。この容疑者のつけた傷はもう治りません。
文化財は我々のご先祖様が作り、そして後世へ残すために守り伝えていくものです。落書きをしたり、傷をつけたりしていいものではありません。人類の宝物です。400年も前の材料から前人達が当時の技術を駆使し、作り上げたものです。
このようなニュースが後を絶たないのは残念でなりません。
文化財保護法は厳しめで、もし違反して傷をつけた場合には100万円以下の罰金や5年以下の懲役刑などが課せられる可能性があります。
厳しいからやめるとか、厳しくなければ破壊するとかいう問題ではなく、文化財を傷つけるのは良くないことです。ましてや、誰も得をすることがありません。今現在ある文化財は、今を生きている私たちが守って、子孫に残さなければなりません。
京都という土地は、第2次世界大戦の戦火を逃れ、重要文化財が数多く残されています。お寺は鎮護国家の目的で建立されてきました。多くは宗教を広める目的で存在しています。冠婚葬祭が行われたり、時節のお祭りがあったりと、地域のコミュニティの役割も持っています。
いうなれば、人間の社会生活を豊かにする拠店のようなものでもあります。
お墓があり、冠婚葬祭が行われたりと、文化の継承の場でもあります。
子どものころはお祭りがあって、楽しみにしていましたが、建物や仏像には全く興味がないのがほとんどです。それが、大人になり、建物や佇まいをながめ、仏像に手を合わせるなどをすると心が落ち着く場所になります。そんな素敵な場所を、文化財をみんなで守りましょう。