観光名所の紅葉を無断で伐採。罪の意識はあったのか?
京都市東山区の建仁寺でモミジの枝が無断で伐採される被害がありました。
伐採したのは「ミシュランガイド京都・大阪2023」で二つ星に選ばれている日本料理店の従業員でした。
■防犯カメラに”犯行映像”一部始終
建仁寺によると今月18日の午後10時半ごろ、境内の駐車場を利用していた人が白いビニール袋を持った男性2人組を見つけ、「車上荒らしでは?」などと不審に思い、声をかけました。
袋の中には17センチ~40センチのモミジの枝5本が入っていて、その場で男性が警察に通報をしたということです。
2人は「ミシュランガイド京都・大阪2023」で二つ星に選ばれた日本料理店の従業員で、寺の防犯カメラには、2人がフェンスによじ登って枝を切る様子も映っていました
■建仁寺「身を切られる思い…悲しい」
建仁寺では、この数日前の日中にも、境内でモミジを切ろうとする男性を職員が見つけて注意していて、その際男性は、同じ料理店の従業員を名乗っていたということです。
建仁寺派の内務部長は「モミジは参拝者の心の癒しになっている。それを傷つけるという行為は信じがたく、身を切られる思い…悲しいです」と話しました。
そのうえで、「日中に注意されたため、夜間の誰もいないところを狙ったという計画的かつ悪質な行為だと考えた」として警察に被害届を提出しています。
■ミシュラン二つ星・店主「僕の指導力がなかった」
日本料理店の店主は取材に対し、18日の行為について事実を認め、「お皿の上に京都の四季を盛り込もうという本能を料理人は持っていて、自然の中のモノを使いたい気持ちが料理人のDNAにはある。(従業員の)2人はいつもは里山で採っていたが、繁忙期で近くの建仁寺に手が伸びた…日ごろから料理の飾りに使えそうなモミジがあれば集めるように言っていたが、人のものをとることは許されない。きちっと線引き出来ていなかったのは僕の指導力がなかった。お店の責任でお寺には深く謝罪したい」と話しました。
紅葉シーズンでにぎわう建仁寺の境内
一方、数日前の事案については「従業員に確認したが誰も行っていないと言っている」と否定しています。
建仁寺派の内務部長は「今後、こうした被害がないよう」と話しています。
<YAHOOニュース2022年11月30日 14:54配信>より
建仁寺の境内は夜間も締め切ることなく、人の行き来ができるようになっています。このあたりの塵をよく知らない人であれば、建仁寺の境内ということが分からないということもあるかもしれませんが、近所であれば、知っていたと思います。
京都の観光寺院は桜や紅葉を大切にしており、観光客の人々に喜んでもらうために植栽にも手をかけ、美しく保っています。人様が大切にしているものを無断で持ち帰るという行為に罪悪感は無かったのでしょうか?
なぜなら、自分で自分が見えないからです。もし、今回の現場に鏡があり、枝を切ろうとしている姿が映っていれば枝を切るのを止めていたかもしれません。一度日中に枝を切り取ろうとして、注意されたにもかかわらず、夜に出直したというところは、本当に悪質だと思います。
罪の意識がなかった証拠です。もし、日中に、防犯カメラに自分の姿が映っていて、それを見て注意を受けていれば、実行をあきらめたのかもしれません。
その後の店主のコメントも理解に苦しむ部分があります。料理人である前に、常識ある人間の大人でないといけないのが、コメントからは感じることができません。このニュースを見て、京都の日本料理店全体のイメージが下がったのではないでしょうか。
プロの料理人は知識と技術があればなれますが、一流と付くと、それだけではない、付加価値があると思います。おもてなしの気持ちであったり、喜んでもらおうと工夫することであったり等あると思います。もちろん他人から勝手に盗んだりしたものを使うということは論外です。
京都の祇園界隈は有名な観光地で、多くの人が訪れます。高級料理店が軒を並べるなど、セレブなイメージがあっただけに非常に残念なニュースです。