イギリスと日本における防犯カメラの位置付けの違いと、取付け場所の選定について
2022年9月8日(木)、イギリスのエリザベス女王が96歳で亡くなりました。女王は、6日に保守党の党首に選出されたトラス氏を、イギリスの新しい首相に任命したところでした。本来であれば、ロンドンのバッキンガム宮殿で、任命を行うのですが、エリザベス女王が歩くのが困難なため、静養先のパルモラル城で行われました。
亡くなるギリギリまで公務を行い、任務を全うされ旅立たれたのだと思います。
25歳で女王に即位され、激動の時代をその目で見てこられ、在位70年と、とてつもなく長い間君主として英国民に慕われました。
16日から19日の国葬までの間、弔問に訪れたのは75万人以上にも上ります。国葬には200もの国々の世界の要人500人が参加しました。みんなから愛され、尊敬されていました。心よりご冥福をお祈りいたします。
様々なイベントも大きなトラブルなく終わりました。ロンドンは防犯カメラの先進地域でもあります。
世界中で一番防犯カメラが設置されているのは中国です。北京は115万台ものカメラが設置されていて、台数としては世界1位です。
続いては上海。上海には100万台のカメラが設置されています。ロンドンはその次、69万台が設置されています。
人口は、北京が2,188万人、上海2,250万人ですが、ロンドンは900万人です。
100人当りの防犯カメラの台数はロンドンが7台と、世界一を誇ります。ちなみに北京は100人当り5台、上海は4台となっています。
東京は、1,400万人に対して、4万台と、100人当たりの台数は0.2台と断トツに少なく感じます。
カメラの技術も進歩し、顔認証システムと連動したもの次々と世に送り出されています。
犯罪者を特定したり、行方不明者を捜索したりする際には非常に便利で、操作の切り札にもなり
得ます。
しかし、いま欧米を中心に個人情報の観点から防犯カメラの在り方について議論が進んでいます。
顔認証の精度が高くなると、何時、誰が、何処へ存在していたのかというプライバシーが丸裸になり得ます。
画像の取扱に関する取り決めが極めて重要になります。法的な整備も整えなければなりません。
日本で防犯カメラの台数が諸外国に比べると少ないのはそういった理由もあります。
たとえ犯罪を犯してしまったとしても、人権は尊重されるのが日本の良い所でもあります。
中国のように管理社会にはできない部分も多々あります。
ロンドンや北京はテロや路上犯罪を防止するために、防犯カメラの映像をリアルタイムで集中監視していますが、日本では、どちらかというと事件が起こった後に、記録された画像を確認に使用されているといったイメージです。
このように防犯カメラは国によってとらえられ方が異なります。中国では国家的にカメラを使用して監視を行っています。日本ではそこまでされていないので、自分の身はある程度自分で守らなければなりません。
カメラを取付けるときには、どのような場所にカメラがあれば犯罪者が嫌がるのか、という観点で場所を選定することも大切です。もちろんカメラを設置していることも大々的にアピールするという事も抑止につながります。